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女の子が生まれました

11月28日の午後4時過ぎに、女の子が生まれました。
3650グラムのふっくらした赤ちゃんでした。
夜中の2時前から陣痛が始まり、私の運転で山里の自宅から病院に運びました。病院まではスムーズに行ったのですが、妻は約14時間以上痛みに向き合い、やっと出産しました。
これまでは、夜中の陣痛、朝の出産でしたから、今度もそんなつもりでいたのです。それが、なかなか出産に至らず、私にとっても長い1日でした。

最近、地方の公立病院でも、夫が分娩に立ち会うのを認めてくれるようになったので、今回、初めて立ち会いました(ただし、理由書の提出が必要でした)。
立ち合いを希望した理由の一つは、出産する妻にとって励みになるのではないか、という思いでした。それと、自分自身、人間が生きる営みの現実を心に刻み込んでおきたいという気持でした。それと、立ち会い分娩に関して、雑誌やインターネットでも良い影響の数々が報告されており、自分が今後、妻や子どもに接していく上でプラスになればよいと思いました。それで、理由書にそう書きました。

実際、立ち会って思ったのですが、出産する女性はかなり苦しみます。でも、誕生の瞬間は実に感動的です。
命の尊さとか、人間の尊厳といったことを考える上で、どの人にも、お腹を痛めてその人を産んだ母がいることを思いおこすべきだと思いました。

「パパは血が嫌いでしょ。立ち会って大丈夫~?」と妻は言ってましたが、私は覚悟してました。
私自身、赤ちゃんは血まみれになって生まれてくるものだと思っていました。でも、違いました。赤ちゃんはきれいです。つるんと生まれて来ます。実習の看護学生たちも手伝ってくれて、へその緒を結び、切ってくれました。胎盤もつるんと出てきて、血生臭い感じのものではありません。
赤ちゃんというのは、生まれてすぐに泣き声をあげるものだと思っていましたが、それも違いました。看護師さんや助産師さんたちが生まれたての赤ちゃんを布で軽くふいて母親の胸に乗せてあげると、とても穏やかな表情でした。しばらくすると皮膚の色つやが良くなってきて、自分でお乳を探しはじめたのです。誰も教えてあげなくても、自分でそうするのです。
赤ん坊が生まれてすぐ泣くのは、どうも、母親から引き離されるためのようで、本来はそういうものではないようです。

数年の間に、公立病院での出産も変わってきました。これは、良い変化だと思います。

明日、父が入院します。私が山形市内の病院に送り、入院の手続きを手伝ってきます。
コメントやメール、ありがとうございました。(伊藤)

ダブル入院?

隣町に住む父が、今月末から山形市内の病院に入院することになりました。大動脈瘤が見つかり、放っておくと破れる恐れもあるため、患部を取り除いて人工血管に置き換える手術を受けます。順調にいっても約1ヶ月の入院予定です。
妻の出産も今月末の予定なので、病院は違いますがダブル入院になるかもしれません。
私も、だんだん忙しくなってきてまして、この山里記も途切れがちになりそうですが、ご了承ください。(伊藤)

道具を使うということ

冬の日照を確保したくて、家の周りの杉の木を、考えながら伐っています。
どれを伐り、どれを残すか考え、木を伐る作業も自分でやってます。
チェーンソーは危険もありますが、使えば便利な道具です。
自戒をこめて思うのですが、効率的な道具を使うときほど、「これは道具の能力であり、自分の能力ではない」と自覚して使わないと、まるで自分にすごい能力があるかのように錯覚し、人を驕り高ぶらせてしまう恐れがあるようです。

実は、先日、木を倒そうとして、チェーンソーをはさんでしまいました。太い木を伐るときは慎重に作業するのに、その木は比較的細かったし、チェーンソーはパワーがあるし、最近は使うのにも慣れてきていて、気のゆるみがあったようです。
倒そうとした木が、ほかの木の枝に引っかかって、切り口にチェーンソーをはさんだまま動かなくなってしまいました。どっちにも動かないので、ひとまずエンジンを止め、さてどうしたものかと考えました。
鉄の棒でテコをかけても動かず、鉄のクサビを打ち込んでも動かず、あんまり無理してチェーンソーを壊しても困るし、近くに電話線もあるので、木がそっちに倒れても困るし、自分の方に倒れてきたらもっと困るし、焦りました。
結局、手動のウインチを借りてきて、ワイヤーロープで引っ張って木を倒し、やっとはずしました。
チェーンソーを壊してしまったかもしれないと覚悟したのですが、見たところ変形もなく、念のため中も点検しましたが、無傷でした。エンジンをかけたら、何の問題もなく動き出しました。
長期使用を考えて、身分不相応かもしれないと思いつつもプロ用のチェーンソーを使っているのですが、その頑丈さに驚きました。こんなすごい道具を使う以上、慎重の上にも慎重にならないといけなかったのです。

道具の能力は自分の能力ではありません。
進化してきた道具が、人を錯覚させてしまうことがあります。
道具を使うには、それにふさわしい技能や慎重さが求められるのだと、思い知らされました。

[補足]
日ごろ、産業文明を批判する私が、産業が作り出したチェーンソーやガソリンを使うのは矛盾なんですが、現在のところやむを得えないと思い、なるべく無駄や環境への害が少なくてすむよう気をつけながら、産業文明の利器も使っています。もし、石油系の製品がまったく手に入らない時代が来たら、そのときは大勢の力で、手作業で木を伐るしかないでしょう。地域の人たちが共に汗を流して協力しあう関係や、地球全体の人類と環境の長期的未来のためには、本当は、そのほうが良いのです。
(伊藤)

逆子が治った

妻のお腹の子はずっと逆子(さかご)だったのですが、36週目で治りました。ふつう、胎児は大きくなってくると頭が下になり、出産のときは頭から出てきます。逆子で足から出ると難産になることもあり、場合によっては障害が残ったりすることもあるんだそうです。「このままだと、帝王切開かなあ」と、妻も覚悟していました。それが、推定2700グラムでひっくり返ったので、担当の医師も珍しがっていたそうです。
実は、ツボ療法がいいと聞き、髪用のドライヤーで足のツボを温めたのです。私が温めていると、妻は、「血の巡りが良くなるみたいで気持いい」と言ってましたが、1日おきに繰り返していたら胎児も本来の位置になってくれました。鍼治療はやれる人が限られていますが、ドライヤーで温めるだけなら家庭でもできて、副作用の心配もありません。
ちょとしたことですが、こんなことで、出産にともなうリスクをだいぶ減らせます。
ちなみに、お灸には「補」と「瀉」があるそうで、プロの鍼灸師が逆子治療をやるときには鍼(はり)と瀉の灸を使うのだそうです。市販の「せんねん灸」などは補の灸なので、瀉の灸の代わりはドライヤーがいいそうです。(伊藤)

薪ストーブその後

朝晩、めっきり寒くなりました。この山里では10月に雪が降った年もあったそうです。
今のところ、暖房の主役は薪(まき)ストーブで、石油ストーブはたまに補助的に使う程度です。引っ越す前と比べると灯油の消費量がうんと減りました。地方都市にいたころ、毎年寒くなってくると400リットルの灯油タンクを満タンにしてもらい、ひと冬に3回も4回も給油してもらっていました。この地方では、1件の家で、冬に千リットル、2千リットルという単位で灯油を使うのは珍しくありません。
9月の末から山里は寒くなりましたが、薪ストーブを使っているので、18リットルのポリタンク数個の灯油で1ヵ月間に合います。灯油はほとんど風呂釜用なので、お風呂も薪で焚くようにすれば、ほとんど使わずに済むことでしょう。
「薪代は灯油代より高くつく」と言う人もいます。薪代は、灯油代の1.5倍~2倍かかるんだそうです。でも、それは薪をお金で買うからであって、わが家は今のところ薪の自給率100パーセントですから、かかるのはわずかなチェーンソーの油代だけで、薪そのものはタダです。
これまで焚き木に火をつけたことがなかったという妻も、薪ストーブで火を焚けるようになりました。ナマの火が目の前で燃えるのは暖かいです。(伊藤)