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稲作開始

今年から田んぼを始めました。私は農業者の資格を持たないので、法律上、正式に農地を借りることができません。それで、「農家の手伝い」という形にしていますが、実際は地主さんや近所の農家に教えてもらいながら、約1反(10アール、つまり300坪)の田んぼを使って、稲作の開始です。

最初は、近所の農家の助手をするつもりだったのですが、予定していた田んぼのご主人が足を傷め、自分で稲作を続けるのが難しくなったとおっしゃるので、どうするか話し合った結果、教えてもらいながら私がやることになりました。
私は、農業は素人だし、よっぽど辞退しようかと思いました。そしたら、田んぼの地主であるご主人さんは、「素人でもやる気さえあれば出来る。伊藤さんがやるならやり方を教える。機械も道具も全部貸すから、やってみないか」とおっしゃるのです。ありがたい話だし、私も田んぼをやりたいし、この機会に思い切ってやらせてもらうことにしたのです。

さあて、わからないことだらけです。
本屋に行っても稲作の入門書はほとんどありません。高度な技術書はありますが、素人が読んでわかるような入門書はまずないです。入門書を探しても、アイガモ農法とか直播きとか不耕起栽培とか特殊な稲作の入門書ばかりで、ふつうの水田のことがわかりやすく書いてある入門書は、まず、ないです。
それもそのはず、農家にとって稲作は常識で、稲作農家はふつうの田んぼの入門書など買いません。新規就農者などわずかしかいないし、特にお米は収入源としては割に合わず、稲作専門の新規就農者は皆無に近いです。なにしろ国が政策として減反させているくらいですから、売れるはずもない稲作入門の本など誰も出さないのです。
それに、農家の人が書いた稲作技術の手引きのようなものを読んでも、常識的なことは省略されていて、素人にはわかりにくいです。それは、人に伝えたい技術があるから書くのであって、農家ならみんな知っているようなことはわざわざ書かないからです。

そんな中で参考書といえば、横田不二子著『週末の手植え稲つくり』[農文協2000]、雑誌「現代農業」の稲作関連記事、農業高校の教科書の市販版、あとは農協でもらった資料類くらいです。
『週末の手植え稲つくり』の横田不二子さんはフリーライターで、農家でも農業の教師でもなく、素人の立場でわかりやすく書いておられます。素人といっても執筆当時すでに8年間の稲作経験があったそうですから、自分の体験に基づき、初心者が疑問に思うようなことはていねいに解説してありますし、そもそも文章を書くプロですから、読みやすいです。手植え稲の本ですが、機械植えするにしても役立つ基礎知識が満載です。

田畑のことは、習うより慣れろみたいな世界です。上記の本や資料を見てもわからないことは、地主さんや近所の農家に聞くのですが、申し訳ないくらい教えてくれます。
高齢でしかも足の不自由な地主さんが、道具を取りに行ってくれたり一緒に田んぼに来てくれたりするのは本当に申し訳ないです。
苗箱にタネモミを蒔く作業について隣の農家に聞きに行ったら、昭和1ケタ生まれのご主人は「苗箱を持って来てくれ、こっちで一緒にやろう」と言ってくださり、自分も田んぼの準備で忙しい時期なのに、一緒に種蒔きをしてくださって、ありがたいやら、申し訳ないやら。

でも、地主さんにしても、近隣の農家の人にしても、迷惑そうな感じではなく、何だか嬉しそうに教えてくれるのです。
自分の子どもたちが農業を継がずに家を出て、高齢の夫婦が細々と田畑を守っているような集落です。これまで身につけてきた農作業の技術を人に教えるのは、それはそれで嬉しいことなのかもしれません。
でも、まあ、それに甘えてばかりもいられませんから、集落のみなさんの協力に感謝しながら、一通りのことは自分で出来るようになりたいと思っているところです。(伊藤)

子どもと過ごす日々

私が帰宅すると、2歳4ケ月になる娘が、「パパー、おかえりー」と駆け寄ってきます。
私の足元で「だっこ、だっこ」とせがむので、だっこしてあげると、にこっと笑います。
私のほっぺをさわって、「おひげが痛~い」なんて言ってます。それで私は、ひげをきれいに剃りました。
「パパのこと、好き?」と聞くと、
「うん、好き」と答えます。
「大きくなっても、ずっとパパのこと好き?」と聞くと、また、
「うん、好き」と答えます。

休日の昼食後、日当たりのいい2階の部屋でコタツに入って横になって休んでいると、娘も2階に上ってきて、私の隣にごろんと横になり、私の方を見て、にっこと笑います。
ようやく雪も解け、畑仕事を始めたいのですが、私が畑に行くと娘も畑について来るし、道具を取りに小屋に行くと小屋について来るし、なかなか作業が進みません。
以前、NHKで放送されていた「大草原の小さな家」のエンディングで、一番下の娘キャリーが斜面を駆け下りてくる映像が流れていましたが、うちの娘が山里の斜面を下って私の方に駆けて来る様子があれとそっくりです。
そのうちお兄ちゃんたちもやって来て、3人で大騒ぎになります。ますます私の作業は進みません。でも、それも、人生の一コマなのでしょう。

お兄ちゃんたちは、妹の相手をしてくれるし、山菜や野草の収穫を手伝ってくれたりして感心です。だいぶ成長しましたが、それでも、幼い面もあり、甘えたくなるときもあるようで、寄ってきます。お兄ちゃんたちをそれぞれだっこしてあげると、照れくさそうな顔をしながらも、喜んでいます。

今年から、私は田んぼの手伝いも始める予定なので、子どもたちも連れて行って、パパが田んぼで働く姿を見せようと思います。
さて、父と子どもたちとの仲のいい日々が、いつまで続くのか。(伊藤)