« 2007年9月 | メイン | 2007年11月 »

進歩という名の修羅

自分もパソコンを使っていて言うのもなんですが、パソコンは、ずいぶん人を支配する道具になりました。
パソコンに代表される電子機器の数々は、職場や一般家庭にも多数入り込んできて、かなり、人を支配しています。

山里暮らしは、自然の秩序に合わせないといけないことも多いのですが、だからといって自然から支配されているとは思いません。人間も自然界の一員ですし、自然というものはよほどの災害でもない限り急に変化することもありません。基本は、同じような四季の繰り返しです。だのに、ちっとも飽きません。季節を待ちながら自然の秩序に従って暮らすのは充実感があり、支配されている感じがしないのです。
たとえトラブルがあっても、やっぱり私は山里暮らしが好きです。

ところがパソコンは、こっちがパソコンという人為的なものに合わせないといけないし、ハードもソフトもそれなりの値段のものをお金で買わないといけません。設定はめんどうで、業者に頼めばお金もかかります。金銭と手間を費やしても、どうせ数年で買い替えないといけなくなる道具です。自分はこれ以上パソコンの「進歩」などなくていいと思っていても、進歩は止まらず、本体それ自体は何の問題もなく動くのに、セキュリティーや周辺機器や消耗品の問題から買い替えをせまられます。携帯電話やデジタルカメラもそうですが、ユーザーはいいカモです。仕方がないと思いながらも、使い続けねばならず、そういうものを使うこと自体、どこか虚しいです。
このような、目まぐるしく「進歩」する製品を作り続ける人、旧機種の解体や廃棄を黙々とやり続けている人もいるのかと想像するだけでも、なんだか気の毒になります。
「進歩」が輝きを失いました。「開発」や「発展」もそうです。今ではそうした言葉に、輝きよりも疲れや虚しさやうんざりした思いを感じるようになりました。

どうも、進歩、開発、発展といった修羅に組み込まれてしまったような感じです。
どうすれば、この修羅から脱することができるのか、私は模索中なのですが、少し、方向も見えてきていますから、今の世の中はこうなのだから仕方ないというふうに、あきらめてはおりません。(伊藤)

スズメバチ

やられました。
2週連続でスズメバチに刺されました。2回とも草刈りの最中でした。近くに巣があるのに気づかずに近づいてしまったのだと思います。1回目は、突然、頭を刺されました。話には聞いていましたが、もの凄い痛みです。
意識を失う人や死ぬ人もいると聞いていたので、妻に運転してもらって病院に行きました。日曜でしたが、すぐに診察室に案内されて医師に診てもらい、注射され、1時間ほど点滴を受けてきました。激痛でしたがショック症状はなく、翌日にはだいぶおさまりました。痛かったのは丸1日くらいでした。

もうこりごりだと思っていたら、1週間後の日曜日の午前中、また草刈りの最中に今度は足首を刺されました。革の作業靴をはいていたのに、ズボンと靴のわずかなすき間を刺されました。家に逃げ帰ったのですが、ハチは何十メートルも追いかけて来て、家の中まで入り込み、部屋をブンブン飛び回ります。子どもが刺されたら大変だと思い、こっちも足の痛みをこらえて必死になってハチを叩き落とし、今は発売中止になった「氷殺ジェット」をかけてトドメを刺しました。
それから、刺された足首をよく水で洗い、少しでもハチの毒を減らそうと思って指で血を絞りました。冷凍庫から保冷材(アイスノンみたいなもの)を持って来て、タオルでくるんで患部を冷やしました。たまたま妻は子どもと山形市内に出かけていたし、病院には行かずに様子をみてました。2時間たってもショック症状はなかったし、痛みもやわらいできたので、大丈夫だろうと思い、帰って来た妻から医者に行くよう勧められましたが、「もう大丈夫だよ」と言って草刈りの続きをしました。

ところが・・・・、夜になって、激痛が襲ってきました。夜中、痛みで何度も目を覚ましました。私はバファリンなどの鎮痛剤を飲むとブツブツが出るのですが、もうしかたなく、ブツブツ覚悟で鎮痛剤を飲んで寝ました。翌、月曜の朝、足首がぱんぱんに腫れて太くなっており、患部に直径20センチくらいのピンクの円が出来ていました。足全体が熱っぽく、びりびり痛いし、歩くのも不自由でほとほと困りました。それでも医者には行かず、その夜は足首にぬらしたタオルを巻きつけて寝ました。
火曜日には、むくんできて、きのうピンクだった患部が紫色に変色し、痛いしかゆいし、かといってかくわけにもいかず、指で押すと粘土みたいにくぼんであとが残りました。ふつうの靴がはけないから長靴をはいて出勤しました。足を引きずって歩き、「どうしたの?」と、会う人みんなに聞かれました。
水曜日、建築の講習会があって出かけました。腫れはだいぶ引きましたが痛みもかゆみも続き、講習の間も足が気になって集中できませんでした。
木曜日、やっと落ち着いてきましたが、すぐ病院に行った前回と比べると、治るのがだいぶ遅くなりました。

教訓。
スズメバチに刺されたら、すぐに医療機関に行くべきです。休日でも当番医がいますから、行くべきです。
2度刺されたのに懲りて勉強しました。応急処置は正しかったと思いますが、2度目に大丈夫だろうと思って医者に行かなかったのが失敗でした。
スズメバチが黒いものに向かって来るのは、熊を追い払う本能でしょうか? 私は黒っぽい服装で刺されました。スズメバチには黒い服や黒い帽子は禁物です。
それと、患部にアンモニア水を塗っても効かないそうです。スズメバチの毒は水溶性なので、水で洗い、可能なら毒を絞り、冷やし、医者に行くべきです。(お茶や柿渋を塗る民間療法があるそうですし、ステロイド軟膏が効くという人もいます。お茶・柿渋・ステロイド軟膏、全部試しましたが、自分で効いたと思うような効果は確認していません。とくにステロイド軟膏など副作用のおそれもありますから、専門家に聞いてからの方がいいと思います。)
なお、ネット上などで「刺されたらすぐに毒を口で吸う」という記述を見ることがありますが、もし唇や口内に傷でもあるとそこから毒が入る恐れがあるのでやめたほうがいいそうです。
まあ、何よりも、洗って冷やしてすぐ病院です。(伊藤)

地方は国内の植民地?

小泉政権の「郵政民営化」選挙で自民党が圧勝したとき、私は、ナチス党の台頭を連想しました。自民党はナチス党と違って大虐殺はしないだろうけれど、カリスマ的な指導者に喝采をおくる大衆の心理は似ていると思います。
閉塞感の漂う中でカリスマ的な人が現れると新鮮に見え、大衆は期待して喝采をおくります。問題は見えにくくなり、批判の声はかき消されます。その結果、「改革」や「改正」の大きな叫び声の中で、事態がより悪化することはあっても良くなったためしはありません。冷静に考えれば、期待するほどの根拠は初めからなかったのです。郵政民営化で郵政関連の事態はより悪くなると、私は現時点ではっきり予想できます。

あのとき、自民党圧勝についていろいろな見解がありました。「よらば大樹のかげ」的に無党派層の票が自民党に流れたとも言われました。小泉改革の結果、ちゃんとした職にも就けずにフリーターをしている人が、その張本人の自民党に投票するんじゃあ暴力亭主に従う妻みたいだと怪訝に思ったものです。
他に、都市部の普通のサラリーマンの票が自民党に流れたとする説もあり、こっちは私も納得がいきました。

都市部に住むサラリーマンにしてみれば、「私たちが払った税金が地方に食われてきた」という思いがあるのでしょう。サラリーマンですから、収入は明らかで、逃げ道なく徴税されます。「これまで国は私たちから徴税しておいて、そのお金を地方にばらまいてきた」と思えるわけです。
たしかに、小泉政権以前は、地方交付金による公共事業が地方の経済を活性化させていた面がありました。必要あろうがなかろうが、道路をつくり、橋をつくり、砂防ダムをつくり、川をかたっぱしからコンクリートで護岸し、なんとかセンター、なんとか会館、なんとか体育館、その他いろいろを需要の有無にかかわりなく公共事業で造りまくってきました。ようするに、必要に応じてではなく、単に建設業者を動員して地方経済を動かすために土木構造物やハコものを造る、という土建国家の政策を続けてきたわけです。
小泉さんはそういうやり方にストップをかけた、たいしたもんだ、応援しよう、ということになったわけでしょう。
都市部の普通のサラリーマンもそれなりに順調だった頃なら、さほど目くじらをたてなかったのかもしれませんが、給料は上がらない、年功序列も崩れてきた、年金もどうなるかわからない、リストラされるかもしれないなんていう状況では、余裕もなく、不安にもなるし、イライラもするわけです。
それで票が小泉自民党に流れたと考えれば、納得できます。

しかし、まあ、地方にも言い分があります。
「都市に本社を持つ企業が、地方の人件費の安さをあてにして工場を進出させる。彼らは働く場所を提供していると言うが、地方から搾取しているのではないか。しかも海外の方がもっと人件費が安くて得だと判断すれば、海外に工場をつくり、国内の地方工場は縮小したり閉鎖したりして従業員をリストラする」
「都市に本社を持つ大手スーパーや各種のチェーン店が地方に進出し、地元の商店が廃業に追い込まれている。彼らは豊富な商品をお安く提供し、雇用にも貢献していると言うが、地方のお金を吸い上げ、雇用といってもほとんどがパートやアルバイトではないか。しかも不採算となれば簡単に撤退する。撤退したって、一度つぶれた商店街はもとには戻らない。」
「東京は地方から人材も奪っている。地方が育てた人材が東京に行ってしまって帰ってこない。」
「都市の電力は、都市でまかなえばよいのだ。福島県や新潟県に原子力発電所をつくり、東京に電線を引いている。東京の電気を確保するために、地方が原子力の危険にさらされているのはおかしい。」
「自分たちが出すゴミくらい、自分たちの都道府県内で処分してもらいたい。都会がゴミを出し、地方に持ち込むのはやめてもらいたい」
「日本の食糧(カロリー)自給率は約40パーセントというけれど、都道府県別で見ると北海道は200パーセント、秋田県が160パーセント、山形県が130パーセント強で地方は高い。それに対して東京都の食糧自給率は1パーセントに過ぎない。都道府県単位で食糧を自給したらどうなるか、想像してもらいたい。」
「なんだかんだ言いながら、ようするに地方は、都市の植民地にされ、食われ、都合よく利用されている。」

答えはでません。
土建国家に戻せば地方は活性化するのでしょうか?
国と自治体が800兆円を越える負債をかかえている現状で、一時的な経済効果以外ほとんど意味もない建設の費用をどうやって捻出するのでしょう。それに、かつてどんどん造った土木構造物やハコものを維持する(場合によっては解体する)費用が、地方を圧迫している現実もあります。

未来を考えないといけない、しかし、未来を考えるのが難しい、そんな中にみんな生きています。(伊藤)